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カラダシホン日記

主に食べることと、生き方のブログです。

生還したステージ4大腸がんサバイバーに学ぶこと!【書評】がんになって、止めたこと、やったこと (野中 秀訓)


がんになって、止めたこと、やったこと

がんになった時に一番頼りになるのは、がんから生還した「がんサバイバー」たちの生の経験です(だと私は思ってます)。まあ、これはe-クリニックの岡本Drの受け売りですけど。

9割の医者は、がんを誤解している!

9割の医者は、がんを誤解している!

「がんサバイバー」のリアル

この本は、余命宣告までされたステージ4の大腸がんからのサバイバーのエッセイです。(もっとも「余命12か月」というのは、かなり微妙な表現であるとは思います。今から1年後生きている保証なんて誰もありませんから)

3か月でも読めないくらいですからね。

「余命3カ月」のウソ (ベスト新書)

「余命3カ月」のウソ (ベスト新書)

しかし、著者のがんが、肝臓転移もしていた、程度の悪いがんであったことは間違いありません。現在も闘病中(期間的にもまだ完全に緩解とまではいかないでしょう)ですが、リアルな記録は参考になると思います。がんを宣告されたときの絶望や、抗がん剤を拒否することでがん難民になる恐怖、代替療法のジャングルの中にさまよいこんでいく様が描かれています。息子の将来を見たいと切望する気持ち、妻の前で涙を流した話、患者だからこそ語れる言葉にグッとくるものがあります。先日、すい臓がんで急逝した友人に読ませてあげたかったです。彼には、時間が足りなかった。

さて、著者の野中氏は会社経営者で、実名でがんとの闘いを克明に記録する経済的なメリットはほとんどありません。ご自分でも言っておられるように、デメリットのほうが多いくらいだったようです。しかし、これからがんと闘う人のために、この記録を書き記したのです。読んでみて、その言葉に偽りはないと思います。ちなみに、闘病記のかなりの部分は、ブログでも読めます。この本も、もともとはブログから始まったようです。

著者は、生きるためにありとあらゆる方法にチャレンジしていますので、今となっては、何が功を奏したかわからないくらいだと思いますが(オーソレモーキュラー療法、高濃度ビタミンC、漢方)、生き方をまるっきり変えた一人の正攻法の成功法として励みになると思います。身近なところでも、最近、がんに倒れ、亡くなる友人が相次ぎましたので、関心を持ち手に取った一冊です。いくつか、興味深いと思ったコメントにマーカーを引きましたので、ご紹介してみたいと思います。

生活習慣の改善は「食生活」が肝

野中氏は、勉強家、かつ実践家で次から次へと食習慣の改善に手をつけました。様々な代替療法を試した結果を書き記していますが、結局のところは、食習慣の改善に帰結するのではないかと思えました。

最初はゲルソン療法も試したようですが、野菜ジュースの甘さに「糖質」の不安を感じ、途中で切り替えていきます。良いカンをしています。食事療法も、ちょっと勉強すればわかるように、正反対の意見の理論がたくさんありますから、最後は、もう、自分に合っているのかどうかの直観、その理論が納得できるかどうかの理性で判断するしかないと思います。どちらが正しかったのは、結果を見て判断するしかありません。

私も過去に読んで大いに影響を受けましたが、野中氏は、溝口医師の「がんになったら肉を食べなさい」を読み、一時期、オーソレモーキュラー療法に従っています。

がんになったら肉を食べなさい (PHPサイエンス・ワールド新書)

がんになったら肉を食べなさい (PHPサイエンス・ワールド新書)

(途中で谷氏の医院にかかり食事療法はそちらの内容を優先したようですので、最後まで指導を受けたのか?少しわからないところはあります)。結局のところ、野中氏がたどりついた食事の基本、15か条がまとめられています。

【食事の基本 15カ条】


1.穀類を食べるときは無漂白で精製していないものを選ぶ
2.外食は極力避ける
3.肉類は避ける
4.悪い卵は食べない
5.タンパク質は魚(かつおより小さな魚)からとる。 食物連鎖の中で濃縮される海洋汚染物質を避ける
6.乳製品を避ける
7.厳選された調味料を使う
8.レトルト食品、冷凍食品、加工食品、加工肉は避け、佃煮、煮物、お菓子も市販品は食べない
9.防腐剤、保存料、着色料、漂白剤などの食品添加物を避ける
10.血糖値を上げない。摂取する糖質に気をつける
11.オメガ3脂肪酸を意識してとる
12.オメガ6脂肪酸を極力とらない
13.水は天然アルカリ水にする
14.カフェインをとらない
15.禁酒する

私は基本的にMEC(糖質制限)生活ですので、がん患者になった時に肉類を避けるかどうかは、まだ決定していません。しかし、多くの点同意できます。特に「糖質制限」「油の摂取法」などは、食生活の基本に類することだと感じています。しかし、あまり、医師からこれらの点を指導されることはありません。私は友人のがん患者数人が亡くなるまで近くでみとった経験がありますが、医師は驚くほど、食事には無関心です。

食事指導をしない医師たち

胃がんで、胃の全摘手術を受けた患者にも、食べられるようになれば、普通通りに何を食べていいよと勧めている医師もいました。若くして亡くなった食道がんの友人も何を食べても良いといわれ、結局、術後、ピザやラーメンや前と同じ食生活に戻りました。再発して亡くなりましたが、その時点で食生活を変えるきっかけがあればと悔やまれます。

すい臓がんで亡くなった友人は、食欲があるなら好きなものを食べるようにと言われ「ケーキ」や「甘いもの」ばかりを食べていました。しかし、逆に「がんに肉は良くない」という思い込みで、極端にタンパク質が欠如した食生活になっていました。体を作る元をとらず、がんの餌だけを与えていけば、どうなるかは自明の理です。有機農法の野菜や、食品添加物を過剰なまでに気にしつつ、糖質や油の危険(トランス脂肪酸やオメガ6の摂りすぎ)などに一切注意を払わないというのは、あまりにも残念です。

野中氏はこうコメントしてます・・・

「食事の見直しの大きな柱は「糖質制限」「小麦粉制限」なので、ケーキなどはできるだけ避けたい食べ物の筆頭格です。それを好んで食べていれば、せっかくの治療を水の泡にしてしまうばかりか、がん細胞に栄養を与えているようなものになります。そういうことを続けていては、根治させられるはずのがんでも増殖させてしまうのではないかとヒヤヒヤします。」

まったく同感です。

こと、食生活は毎日のことですし、「自分で納得して」変えていかないとうまくいきません。サプリや健康食品の類の情報も大量にがん患者には集まってきます。やはりがんと闘うには「情報」が必要だ、特に、がんになる前から正しい情報を持っていないとならないということを痛感します。

あまりにも多くの情報がありますが、最大公約数を探っていくと、野中氏がたどりついたものに近くなっていくのではないかと思えます。(私は、肉類・乳製品に関する見方、カフェイン、禁酒などに関しては少し見解が違いますが、まあ、だいたいは同じです)。南雲氏の「命の食事」プロジェクトなども参照できるのではないかと思います。

tosituseigen.hatenadiary.jp

がむしゃらな「運動」は体に悪い

野中氏はバイタリティのある方で、健康に気を使っていないわけではなかったようです。大いに食べ飲み、働き、運動をバリバリする、やり手の若手経営者でした。しかし、その過剰なまでの「頑張り」は体に大きなストレスになっていたようです。すでに、ストレスは体の各所に表れており、原因不明の鼻血や、高血圧、寝汗などの症状が強くなっていました。

がんになる直前(発見される直前)に異常な体調があちらこちらに見えていました。しかし、野中氏は、その時期に「運動が必要だ」と間違った方向に舵を切ったのです。この思い込みは怖いです。(一般的にも見られるという意味で「怖い」と思います。)

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「その頃に、運動不足解消と減量、滅入った気持ちを切り替えるための気分転換を目的として10㎞ほどのジョギングを始めました。結果的にそのことは、おかしくなり始めていた身体にさらにダメージを与えているようなものだったはずです。

がん発覚時の血液検査では、赤血球中のヘモグロビン量が9g/dlくらいまで減ってしまっていることがわかりました。11・3~17・4g/dlが平均的なものなので、私の数値は貧血を起こしてもおかしくない状態です。そうでありながらやっていた10㎞のジョギングはやはりマイナスが大きかったはずです。有酸素運動のジョギングは、健康維持にいいとされています。


しかし、活性酸素を大量発生させるため、その対策をしなければ中和されない過度な活性酸素が身体に悪影響を及ぼすということも指摘されています。ビタミンや抗酸化作用のある食品をとったりするわけでもなく、長時間ジョギングすれば、体内で大量発生した活性酸素が中和されることもなく、正常な細胞を傷めやすくなります。酸素を運ぶヘモグロビンが少なくなると体内の細胞が酸欠状態になり、乳酸が増えることで身体が酸性に傾きます。そこにスポーツドリンクで糖分補給していたわけです。酸欠→酸性と、わざわざがんがもっとも好む環境をつくり出したうえに糖質の栄養補給までしていたということです。」

現在の予防医学の常識では、過度の運動は「活性酸素」を発生させるために、それほど推奨されていません。ちょっと勉強している人ならわかりますが、今まで健康に無頓着だったひとほど、健康を意識すると、過剰な運動をしてしまう傾向があり、これには注意が必要です。運動に対して、それほどストイックになるなら、食習慣に思いっきり意識を向けた方が何百倍も良いです。または、しっかり寝た方がよほど健康になります。野中氏の実例は、巷の、運動神話が崩壊するくらい大事な事例だと思います。

もちろん、適度な運動は必要です。しかし、あえて運動の時間をとる必要があるでしょうか。通勤+αの少し歩く量を増やすくらいで十分だというのが、私の考えです。呼吸法や、アイソメトリクスなどの静的な運動のメリットは感じていますが、体を酷使する運動はがん患者には御法度です。

がんサバイバーの情報収集法

野中氏も最初は、知識のない普通の人にすぎませんでした。ネットで情報を検索するとすぐに、怪しげな免疫療法や商材ページにたどり着いてしまいました。メルマガ登録をすると、何らかのサプリを売られたり、信用できる情報になかなか当たれなかったといいます。ネットリテラシーが低い人ほど、最初にこの段階でカモになってしまったり、混乱してしまったりするでしょう。

「参考になりそうなページを読み進めていくと、意図的に特定の健康食品のランディングページ(商品を買わせるためのページ)にたどり着くようになっていることなども少なくないのに気がつきました。メールアドレスを登録すれば、がんを治すためのノウハウが段階的にメールで送られてくるようになっていても、結局のところは、怪しいサプリメントや情報商材の販売が目的になっていることもありました。  
インターネットのアリ地獄に吸い込まれるような感じがして、情報収集はとても困難でした。実際にノウハウ本を購入したり(数ページのPDFです)、多くのがん患者が愛飲しているという酵素ドリンクの定期購入を申し込んだりもしましたが、メリットが感じられることはほとんどありませんでした。がんで商売しようとしている人がいかに多いかということもよくわかりました。宣告を受けて絶望の淵に追い込まれ、藁にもすがりたくなっているがん患者の気持ちを弄ぶかのようなビジネスがあふれていました」

がん患者は必死で情報を得ようとしています。その患者たちから利益を得ようとする商業主義のえげつなさ。つらいですね。私自身も、自らコンテンツを作るものとして、アフィリエイトの罠に陥らないようにしたいと、改めて強く感じました。過去にも何度もこのことは意識してきましたけれども、こと、命がかかっているようなコンテンツの場合、看過できませんね。

野中氏が偉かったのは、ここであきらめなかったこと。「インターネットでの情報収集に行き詰まり、本ならばもっと精査された情報が入手できるのではないかと考え、近所のブックオフに行くことにしました。そこで、がん関連の気になる本を5、6冊、買いました。要するに私は、こうした初歩的な一歩から踏み出していったわけです。」

数冊の本から、次の本をたどり、芋づる式に読書を進めるにつれて、多くの出会いがあったようです。野中氏が参考にした本が実名でいくつも紹介されていますので、ぜひ読んでほしいですね。私が読んだ本とかぶっている本も何冊もありました。ネットの情報を参考にするにせよ、市販の本を何冊も読むのは確かにお勧めです。最初は、著者の偏った意見に振り回されるのは本もネットも同じなのですが、何冊も何冊も読むうちに、最大公約数的な知識が分かってきます。

野中氏の場合、もともとの好奇心旺盛な態度と読書力が命をつないだと言える気がします。がん患者にとって「勉強」は非常に重要です。正しい知識を見極める目を、早いうちから培いたいですね。野中氏の「余命12か月」(ふつうはありえない表現だけれど)という期間が良かったのだと思います。私の友人は、向学心のある人で、12か月あれば必ず生還したと思いますが、がん発見から1か月あまりで亡くなりました。もっと時間があればと悔やまれます。

私も勉強した知識を何らかの仕方でちゃんとまとめていきたいと思っています。まとめて友人に見せることができれば、もう少し、何かが変わっていたのではと悔やまれるからです(まあ、変わらないかもしれないけど)。そんなことを思いつつ、読みました。

まとめ

私は、がんではありませんが、あまりにも多くの友人のがん闘病を目の当たりにして、がん予防本などを読むようになりました。もともとは、末期がんだった祖母を身近で見たことが大きかったと思います。祖母は抗がん剤をやめ、民間療法(食事・温熱・ワクチン)などの総当たりで癌を治しました。サバイバーを身近で見たからでしょう。健康に、人並み以上の関心を持つようになりました。私はがん患者ではありませんが、野中氏の本に大いに共感を持ちつつ読み進めることができました。そういう背景からです。

がんになってから、勉強するのでは遅すぎるかもしれません。でも、野中氏のような良心的なサバイバーの本を読めば、どのように戦うかが見える気がします。これから、がんになって、闘病を開始する人にぜひ紹介してみたいと思える一冊でした。

お勧めの本です。


がんになって、止めたこと、やったこと

目次

第1章 生活を見直すことで、がんが治った! ・がんという生活習慣病 ・抗がん剤の効果が期待できる20%の意味 ・あと12カ月しか生きられない…… ・初めて妻の前で泣いた日 ・標準治療と代替療法 ・最初の検査と治療の選択 ・「治療法」は自分で探すしかない ・遺伝子のスイッチのオンとオフ 
第2章 がんになる「7つの習慣」 ・がんになった原因探し ・ストレスという大敵 ・日常的な食生活の問題 ・危険と隣り合わせの独身サラリーマン ・アルコールが原因となった生活の乱れ ・運動はプラスかマイナスか? ・がんのサインはこれだけ出ていた! ・がんへと進んでいく7段階のステップ
第3章 がんを治すために改善した「7つの習慣」
①食事改善 ・手探りでの情報収集 ・ゲルソン療法からオーソモレキュラー療法へ ・命の希望がつながった電話 ・「済陽式食事療法」や「低GI食」も意識 ・私は食事をこう変えた! ②早寝の習慣化 ・ナチュラル・ハイジーンとケリー・ターナーの教え ・できることからやらないと死んでしまう ③解毒 ・絶食で身体をリセットする
・リーズナブルで効果的な温熱療法 ・サウナや岩盤浴も利用 ④ハーブ&生薬 ・サプリメントの効果 ・免疫機能向上とがん細胞抑制のために ・生薬が果たしてくれた役割 ⑤ヨガ&鍼&マッサージ ・「心を鎮めること」の大切さ ・身体をリラックスさせるために ・身体を温めてミトコンドリアを増やす⑥思考回路(ストレス)の改善 ・「生への執着」が生み出す力 ・私が告知されたときのこと ・がんは悪い死に方じゃない ・思考回路の切り替え ⑦生活環境の見直し ・電子レンジを使うのはやめるという選択 ・病気になりにくい生き方を求めて
第4章 寛解への道。そして、これから・告知後最初の検査の意味 ・寛解と再発の可能性 ・「毎日できること」の見直し ・がん対策の3本柱 ・生活習慣病は生活で治せる ・がんとつき合い、寿命を全うするということ
第5章 総括! がんになった場合の「7つの指針」 ・がんになったら、がんを知ることから始める ・がんになったときの治療方針の立て方 ・生活を見直す意味・がんを治す方法はある! column 余命宣告を受けたあと、私は何度も泣きました 『ブラックジャックによろしく』と、息子が教えてくれたこと 生き残るためのブックサーフィン あとがき がんは生活習慣病です。  斎藤糧三

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